フェニックスキッズは、子どもを育てる保育園ではなく、子どもたち一人ひとりの可能性が育つ保育園です。
AIは人間の想像をはるかに超え、さまざまな便利なものが普及した現代。
私たちが幼かった時代と今では環境が大きく変わりました。
欲しい情報があればパソコンやスマホですぐに調べることができ、
遠く離れた人ともオンラインを使えばすぐに会話ができる。
今の日本では当たり前の(気付いたら当たり前になっていた)ことは世の中に沢山あります。
・当たり前のようにスマートフォンを持っている
・音声だけで家電が起動してくれたり音楽を再生してくれたりする
・駅で改札を通過するときには電子マネーをタッチするだけ
など、保護者の皆さまに、今の日本を予想できた方はどのくらいいるでしょうか。
また、それは社会やサービスに限らず、子どもの成長や教育も同じです。
・英語の授業が中学校ではなく小学校から
・小学校の必修科目にプログラミング教室
こうしている今も私たちの知らないところで新しい当たり前が沢山できています。
そんな時代に生まれた子どもたちは、
自ら考える・自ら学ぶ・自ら行動する力がより大切になってくると思います。
今の子どもたちが大人になる頃の日本の当たり前は、どうなっているか予測がつきません。
企業主導型保育園もそのうちの一つです。
今はあまり馴染みがなく、弊社の悩みの一つとして、親御さんたちに色々と誤解が生まれていることがあげられます。
「認可を受けていないけど、この保育園に子どもを預けて大丈夫なの?」
と感じている方が多くいらっしゃるのが現状です。
企業主導型保育は認可保育園と同レベルの監査を受けていて、ほぼ同じ基準の中で運営を行っています。つまり、何も問題はありません。
むしろ保育園としての監査だけでなく、保育士以外の客観的な考え方も保育園に反映されている分、臨機応変な対応等メリットが多いのが特徴としてあります。
最近ではやっと、企業主導型の保育園に興味を持つ方々が増えてきています。
一人でも多くの方々にそう感じていただけるためにも、さらに子どもにとって『一人ひとりの可能性を伸ばす場所』であるために、フェニックスキッズは日々保育の中で工夫を凝らしています。
先日、弊社のフェニックスキッズ・イースト代表の施設長小川と一緒に取材を受けたので紹介させていただきます。
私たちが思う保育観やプログラミングを取り入れる目的など、思いを述べさせていただきました。
目次
施設長の保育観について
|記者
戸田さんが施設長として大切にされていることを教えてください。
|戸田
当園では、子どもが主役の保育を大切にしています。
一つ具体例を挙げます。
お散歩に行く前の靴を履く時間。「時間がないから」「急がなきゃ」そんな理由で急かしてしまったり、保育士がさっさと靴を履かせてしまったり。
でもそれは大人の都合であって、子どものためにはなりません。
あと数秒待ってあげることができれば、その時に『自分で靴を履けた』という一つの成功体験ができたかもしれません。
大人が履かせてあげてしまうと、自分で靴を履くということができるようになるのが、次の機会までお預けになってしまいます。
ほんの些細なことかもしれませんが、子どもの成長は大人が考えるよりはるかに早いです。
体験を一つ一つの積み重ねることが成長です。
積み重ねが早ければ早いほど、子どもの成長スピードは早くなります。
その時は靴を履けなかったとしても、その体験を機に、次には履けるかもしれません。
その成長の機会を大人が奪ってしまうことだけはしたくないと考えています。
子どもが自分で考え、学び、成長するためには、待つ(見守る)保育も必要です。
|記者
『見守る保育』というと、どこまでかという線引きが難しい部分だと思うのですが……。
|戸田
保育理念の1つに『“あたりまえ” のことを当たり前に』という理念があります。
・あいさつをする
・おはしをもつ
・思いやりの心をもつ
これらは “人” として育むべきことになります。
この当たり前は大人がしっかり指導するのが前提にあって、待つ保育(見守る保育)を実践することが大切だと考えています。
分からないことを教えていくというよりも、
クイズで例えると、解けない問題に少しずつヒントを出して導くという意味になります。
保育理念 “個を伸ばす” とは?
|記者
保育理念 “個を伸ばす” について実際の保育にどのように取り入れていますか?
|戸田
先ほどの “待つ保育” にもつながることですが、
『どうやって興味を大きくしていくか』が個を伸ばすカギになると思っています。
興味や好きなことは子どもによってさまざまなので、子ども一人ひとりが何に興味があるかをよく観察するようにしています。
大人が全てを準備した保育は、子どもたち一人ひとりの興味を引き出すことにはなりません。
お片付けの時間で具体的に説明します。
子どもに「片づけなさい」と言っても、素直に “片づけたい” という気持ちにはなりませんよね。
その場合、例えば★マークのついている場所に、同じ★マークのついた絵本を置いてくるゲームにすればどうでしょうか?
ゲームというと興味が湧きますし、結果的に、ゲームを楽しんでいたら片づけができるようになっています。
活動一つにしても、見方(考え方)を工夫することで、 “個を伸ばす” 保育になります。
保育士に意識して実践してもらっていること
|記者
現場の保育士さんに意識して実践してもらっていること、伝えていることはありますか?
|戸田
10箇条の職員心得は人として、さらに保育をする上でも大切なことなので、悩んだり困ったりしたら立ち戻って考えられるよう伝えています。
さらに私よりも先生たちが理解してくれていますが、保育士にはできるだけ子どものことを考えていて欲しいと思っています。
休憩など時間があるタイミングで、一緒に子どもの(昔の)写真を見て「昔は出来なかったことも、今ではこんなにできるようになったんだね!」という会話が飛び交う保育園であり続けたいと思っています。
子どもたちの成長を実感できると、保育士も嬉しいですし、自然と笑顔になりますしね。
プログラミングについて
|記者
カリキュラムにはプログラミングがありますが、具体的にどんなことをするのでしょうか?
|戸田
プログラミングと言ってもキーボードで何かを作るというものではありません。
体を動かしながらアルゴリズム(プログラミングの基礎)を伝えています。
ゲーム形式や遊びの中で、「こうすればこうなる」という構造を理解し、問題解決能力を身に付けることが目的です。
|記者
難しいイメージがありましたが、そうではないのですね。
『問題解決能力』は生きていく上で大切なことですね。
|戸田
そうですね。あくまで遊びの体験上にプログラミングがあるイメージです。
①問題を特定する
②問題をどうやって解消できるか考える
遊びの中でこの手順を自然に身に付けることで、『分からないことを自分で考えて行動する』習慣が身に付きます。
企業主導型の強み・魅力について
|記者
企業主導型保育園だからこその強みは何だと思いますか?
|戸田
企業主導型の一番のメリットは企業ぐるみで預かりができることですね。
連携企業から支援やサービスを受けることができます。
例えば、連携企業から飲み物などをもらえることもあります。
会社として育児支援が受けられるのも保護者にとっても安心できますよね。
そういった意味では、保育園も保護者も安心できる環境と言えるでしょう。
他園と比べてフェニックスキッズの良さとは?
|記者
たくさん保育園がありますが、フェニックスキッズだからこその良さってなんだと思いますか?
|戸田
日々成長する子どもの目線に合わせた保育を提供できるところです。
保育士・主任・戸田の組織で運営しているため、情報伝達と意思決定が早く、子どもたちに一番近い保育士の意見が管理職に届きやすいのがフェニックスキッズの強みです。
さらに保育園のあるべき論だけに捕われない考えで保育を改善できるので、その結果、他園より質の高い保育を提供することができます。
ICT化の良さとは?
|記者
たくさんの保育園でICT化が進んできていると思いますが、独自のシステムを取り入れている御社からするとICT化の良さはなんだと思いますか?
|戸田
ICT化の最大の魅力は、子どもにしっかり目線を向けられる時間が増えて保育の質が向上することです。
保育士には「本当だったらこの時間も子どもに目を向けたいのに」と思うことが沢山あります。
ICT化を取り入れることで作業時間を短縮し、その分を子どもの事をしっかり観察する時間や、保育環境を見直す時間に使うことができます。
それが結果として、保育の質の向上につながります。
今の日本にどんな保育環境が必要だと思うか?
|記者
スケールが大きい話になりますが、今の日本にどんな保育環境が必要だと思いますか?
|戸田
多様性が求められると思います。
新型コロナウィルスがきっかけに、今まで以上に働き方や価値観など多様性が求められるようになりました。
どれが正しい、どれが間違っているではなく、お互いに理解ができると良いですよね。
保育園としても、あるべき論を中心に考えるのではなく、さまざまな価値観や家庭環境などを理解し受容することが重要になってくると思います。